FXのファンダメンタルズとチャート思考
株式も商品もそうなんですが、そもそも論として、相場が動く理由って何なんでしょうか。まあ、株式相場であれば、企業の業績や新製品発表などによっても株価は大きく変動します。商品の場合は、天候と穀物の生産量とか、中東戦争と石油の関係とか、南アフリカとダイヤモンドとか、需要と供給に大きく左右されます。
では外国為替の場合は? それぞれの国の経済情勢や政治的な事件、要人の発言などが通貨に影響を与えることもあります。日本であれば、日本の中央銀行である日銀の動向はよく円相場に影響を与えます。日銀短観とかです。他には、株価など他のマーケットとの連動性が高くなってきているため、株価が上がると円安になる、といった相関関係も重視されるでしょう。
このように、相場に影響を与える、経済的背景などのことを、「ファンダメンタルズ」と言うですが・・・。FXの世界のトレイダーの間ではこれを省略して「ファンダ」と呼ばれることも多く、専門家や個人のブログなどでは、この表記「ファンダ」のほうをよく目にする事があります。
相場にはもう一つ、大きな影響を与える要素があります。もちろんそれはチャートです。チャートとは、過去の値動きをグラフ化することで見やすくしたものですが、チャートの中には、数学的に様々な理論を用いたテクニカルチャートと呼ばれるものがあります。その種類も数10に及びます。これらは・数学的・統計学的・科学的な根拠を持つもので、相場の展開を読むためには大変有効なものなんです。
テクニカルチャートについては、もちろんチャートそのものの能力で相場展開を読むことも出来るのですが。現実としては、人間が相場を作っています。二次的な作用として、注目したいのが「他の多くの相場参加者も同じチャートを、同時に見ている」という事実です。
つまり、同じチャートを見て、同じように分析をしている人が世界中に同時にいる訳です。ですので、より一層チャートの分析結果が相場に反映されやすいのです。そりゃそうですよね、例えば、ダウ理論というものがあります。100年以上も前に、チャールズ・ヘンリー・ダウという人が生み出したチャート理論です。全てのトレーダーが彼のダウ理論を基本にしてトレードしているのです。
ファンダメンタルズとテクニカルチャート。この2つへの反応が相場に多くの影響を与えているため、正しい相場観を持つためには、この2つは、相場に望む時の必須の武器と言ってもいいと思います。しかし、原則的には、誰にとっても、未来を完全に予測することは不可能なんです。でないと、全ての人がFXで利益を出す結果になるでしょう。こんな事は現実にはありえません。ですので、ファンダメンタルズやテクニカルチャートも、決してFX投資に万能ではないことを、絶対に忘れないでください。
☆FXのファンダメンタルズとチャート思考